真珠とは、琥珀や珊瑚と同じ有機物で、ダイヤモンドやエメラルドのような鉱物ではなく真珠層を持つ天然の貝から作られます。貝は、外から入ってきて吐き出せなかった異物を身を守るために自らの分泌液(貝殻と同じ成分)で包み込み、幾重にも分泌物の層を重ねていきます。そうして出来上がったものが真珠となります。何年にもわたって積み重なった真珠層があの独特の光沢を生みだしているのです。
このようにもともとの天然の真珠は、真珠層が均一でなかったり形がいびつだったりして宝石としての価値の高いものがなかなか採れないのが難点でした。それが1893年にミキモトの創設者によって人工的に天然真珠と同じ形成作用を起こさせる養殖技術が開発され、今では、日本は世界に誇る真珠の産地となっています。



真珠を選ぶ際に重要なのは以下の5点です。

1、巻き
非常に大切な要素で、真珠層の厚さの事を表します。
一般的に養殖期間の長いものほど厚くなり、厚くなるほど耐久性や光沢が増し、上質といわれます。
光沢の良し悪しにも影響を及ぼします。

2、光沢(テリ)
真珠特有の虹色の輝きを表します。
真珠層の厚さやキメの細かさの良い物ほど光沢が強く、美しさを感じさせます。
テリの良い真珠は鏡のように映り込むものをシャープに見せます。
逆にいうと、テリの悪い物ほどぼやけて見えるのです。

3、形
やはり、真円に近くなるほど価値は高くなり、バロック型になると評価は下がります。

4、色
好みの問題になってくるかと思いますが、日本ではピンク系のものに人気があるようです。
南洋真珠ですと、ゴールドやピーコックグリーン色に価値があります。

5、キズ
真珠は生きている貝によって作られるため無傷のものはめったに存在しません。
そのため、キズが少なく滑らかなものほど価値が高くなります。




アコヤ真珠

日本近海に生息するアコヤ貝から採れる、最も一般的な真珠です。母貝自体が7cmほどの大きさなので、直径5~8mmのものが中心です。9mm以上の物は稀少だといわれています。取引される大部分が日本産で、真珠層の透明感の高いことから良質なものが採れます。
その中でも最高品質の真珠を『花珠』と呼びます。
真円で無傷、品質を決める要素である巻き・光沢・形・色・仕上げの全てが最高品質の真珠です。浜揚げされた真珠の内、2~3%にも満たない量だといわれています。



南洋白蝶真珠

オーストラリア、インドネシアなどの南洋諸島近の海で養殖される白蝶貝から採れる真珠です。母貝は生育している最大級の真珠貝で、直径20~30cm程の大きさがあります。というわけで、採れる多くの真珠は10mm以上のもの大きさがあり、中には15~20mmもの大珠な真円真珠が採れる場合もあるそうです。
母貝は、貝殻内面の周辺部の色によってホワイト系のできやすいシルバーリップとゴールド・イエロー色系のできやすいゴールドリップに分けられます。
オーストラリア海域ではホワイト系、インドネシアやフィリピン海域ではゴールデンやイエロー系が多いようです



南洋黒蝶真珠

インド洋や太平洋の赤道を中心とした海域に生息する黒蝶貝から採れるブラック系などの深い色合いの多い真珠。
フランス領ポリネシアのタヒチ近海で主に養殖され、生産量の大部分がここで採れるため、タヒチ真珠ともいわれます。
母貝は10~20cm程の大きさですので、9~14mm程の珠が中心となります。
真珠貝の中では活動的な動きをするようで、貝の中で真珠が回転してバロックやサークルといった変形を生むことが多いようです。
中でも深緑の地に虹色がにじみ出る、孔雀の羽のような色合いのものは『ピーコックグリーン』と呼ばれ、大変稀少価値があります。



淡水パール

中国の湖や川で養殖される、カラス貝や三角帆貝、ヒレイケチョウ貝から採れる、米粒形やオーバル形などの形状が代表的な真珠です。
色もホワイトはもちろん、ピンクやオレンジ、パープル等鮮やかな色合いが出るのも特徴です。
母貝は15~20cm程の大きさで、2~10mmまで様々な大きさの珠が採れます。
淡水真珠は他の真珠と違って核を使わず、他の貝の肉片を入れて養殖する方法が主で、1つの貝から20~30の真珠が作れることから比較的安価で取引されます。



マベパール

亜熱帯などの海域に住むマベ貝から採れる、半球形が特徴の真珠です。
半球状の核を挿入するので半球形の真珠を主としていますが、近年では球形の真珠も少量ながら採れるようになっているそうです。
母貝の大きさは白蝶真珠並みの20~30cm程で、12~20mmとボリュームのある大きさのものが採れます。
ハート型やドロップ型など様々な形があるのも特徴です。


ケシパール

アコヤ真珠や南洋真珠を養殖する際に砂の粒や虫等の異物を体内に取り込んだために偶発的に作られた核を持たない真珠です。
そのため小さく、形もいびつな物が多いようです。
同じ無核真珠の淡水パールとの大きな違いは、川や湖に生息する貝か、海に生息する貝かということでが、もともとは、植物の芥子(けし)の種ほど小さな真珠のことをそう呼んでおり、今でも小さな真珠のことを指したりもするようです。



コンクパール

↑火焔模様
カリブ海やメキシコ湾一帯に生息するピンク貝という大型の巻き貝から採れる天然真珠。
この貝は巻貝のため養殖を行うことができず、現在のところすべてが天然ものです。
その上、1000~10000個に1つの割合でしか採れず、宝石用として使われるのは更にその5分の1でしかないという大変稀少価値の高い真珠です。
パステルピンクや鮮やかなピンク色が主で、真珠特有の虹色の光沢はありませんが、瑞々しいつるんとした質感が特徴です。
表面に炎が燃えているような火焔模様がみられるものが最上とされています。