エメラルドといえば、古代エジプトの女王クレオパトラが愛した宝石として有名な宝石です。旧約聖書にも記されているほど、古くから愛され続けています。
名前の由来は「緑色の貴石」を表すサンスクリット語の「スマラカタ」にはじまり、ギリシャ語の「スマクラグドス」、ラテン語の「スマラグダス」、古代フランス語の「エスメラルダ」と少しずつ変化していき、
現在の「エメラルド」になったといわれています。
『キズのないエメラルドを得ることは、欠点のない人間を探すよりむずかしい』といわれるほど“石れい”と呼ばれる特有の内包物や、細かい“クラック(ひび割れ)”が見られるのもエメラルドの特徴です。それは肉眼でも確認できるほどですが、美しさを損なう程あるものは別として、エメラルドが形成される際に必然的にできるものですので内包物があることが天然の証とも言えます。逆にあまりにも透明度が高く、無傷のものは人工石である可能性が高いのです。



内包物の多く見られるエメラルドですので、中でも透明度の高い大粒のものに稀少価値があります。
そして何よりも重要なのは色味です。色が濃いものほど良いとされていますが、ある程度の濃さを超えると黒ずんだ緑色になり評価は下がります。透明度は高いが色の淡いエメラルドより若干内包物が確認できても色の濃いもののほうが価値が高いといわれています。
主な産地といえば、透明度の高い良質なエメラルドが産出される南米コロンビアが有名です。



エメラルドの硬度は(摩擦や引っ掻きに対しての抵抗力)7.5~8度と比較的高めです。
ところが結晶の性質上一定の方向に衝撃を与えると割れやすいので十分な注意が必要です。

また、現在流通している100%に近い数のエメラルドには、ひび割れた箇所に無色のオイルや樹脂を染み込ませる事により透明度や耐久性を改善する『エンハンスメント』と呼ばれる加工(鑑別書やソーティングなどにもきちんと記載されています)がされています。そのため超音波洗浄器やお湯などに浸しますとオイルが溶け出し、透明度が悪くなる可能性があるので注意してください。
家庭でのお手入れとしては、柔らかい布やシリコンクロス等で汚れを拭き取る程度がよいでしょう。



エメラルドは鉱物学的に分類すると『ベリル (緑柱石)』の一種です。
無色透明の純粋なベリルの中に、クロム(酸化クロム)の成分を含むものをエメラルドと呼びます。

エメラルドと同じベリルの仲間には次のようなものがあります。

淡い水色のベリル:アクアマリン
無色透明のベリル:ゴシェナイト
黄色のベリル   :ゴールデンベリル
ヘリオドール
ピンク色のベリル :モルガナイト
淡い緑色のベリル:グリーンベリル
赤色のベリル   :レッドベリル

レッドベリルは通称『レッドエメラルド』とも呼ばれ、産出量の少ないこともありかなり稀少価値の高い宝石です。