鉱物名はルビーと同じコランダムに属し、酸化クロムが入り込んで赤色になった物をルビーといい、赤以外のコランダムをすべてサファイアといいます。一般的にサファイアというと青色の物を指しますが、オレンジ、ピンク、イエロー、グリーン、パープル、ホワイト等、様々な色合いの物があります。赤色のコランダムはルビーとなってしまうため、レッドサファイアだけは存在しません。

サファイアの語源は、ラテン語で「青」を意味する「サフィルス」から来ているといわれています。
空の色に例えられるなど、古くから権力の象徴として崇められてきた貴石です。



基本的にはルビーと同じで、『色』『内包物の状態』『輝き』の3点から見ていきます。
色味は産地によってかなり影響されていますので、まずは産地と絡めて説明していきます。

サファイアで、最高級の色合いとされるのは柔らかく、暖かみのある鮮やかブルーが印象的なカシミール産の『コーンフラワーブルー』と形容されるサファイアです。コーンフラワーとは、和名で『矢車草』という植物の名前です。しかし現在では、カシミール産サファイアは滅多に市場に出回ることの無い幻のサファイアとなっています。
次いで人気のあるミャンマー産のサファイアですが、こちらも『ロイヤルブルー』と形容される極上サファイアが産出されることはほとんど無くなったといわれています。

今後、期待が高まっているのはマダガスカル産サファイアで、コーンフラワーブルーに似た色合いの物が産出されることもあり、良質サファイアの産地として現在注目を浴びています。
現在一番流通しているのはスリランカ産で、上記のものと比べると鮮やかさは若干欠けますが、透明度の高い、良質で大粒な原石も多く産出されます。
他にもタイやオーストラリアなどからも産出されますが、黒味がかっているものが多いため、あまり評価は上がりません。

最終的には、黒っぽくなり過ぎると価値が下がりますので、深みがありながらも浮き上がるように鮮やかに輝くものがよいでしょう。内包物の状態と輝きですが、サファイア特有の「成長線」や色むらなどが多く見られます。色は均一で、透明感のあるものの方が内面から美しく輝きます。しかし若干色むらがあったとしても、鮮やかさを重視しましょう。



数あるカラーサファイアの中でも一際価値が高いとされるのは、オレンジとピンクが混ざり合ったような、独特な色合いが美しい『パパラチアサファイア』です。キング・オブ・サファイアと総称され大変人気があります。パパラチアというのは産地でもあるスリランカの言葉で“蓮の花”を意味します。
オレンジピンクからピンキッシュオレンジまで微妙な色合いであり、鑑別機関によってまれに“パパラチア”とでない場合がありますので、鑑別書のしっかりついたものが安心です。透明感があり、どちらかの色味が強すぎることなくオレンジとピンクのちょうど中間の色味がきちんと混ざり合っている物ほど価値が上がります。産出量が極めて少なく、需要と供給が追いつかないほど稀少価値のある貴石です。

次いで非常に珍しく入手困難なのがイエローとオレンジの中間色、ゴールデンサファイアです。暗い場所で紫外線ライトを当てると蛍光色を発します。その他に人気があるのはピンクサファイアで、次いでイエローサファイア・オレンジサファイア等です。



サファイアにもルビーと同様『スターサファイア』と呼ばれる特殊なサファイアが存在します。
産地としては、ミャンマー産が中心でしたが、良質な物の産出が激減してしまい、今ではスリランカ産が有名です。
その他にも白熱電球の下で色が変わるアレキサンドライトタイプと呼ばれる、カラーチェンジサファイアなどがあります。紫色から鮮やかな赤紫に変色します。