古代エジプトの王朝では『太陽の石』と呼ばれるほど特に愛され、歴代の王達が好んで王冠に使用したといわれているペリドット。鉱物学名は「オリビン」といいます。宝石としての名前の由来は同じ緑色の鉱物「エピドート」からきているのではないかといわれていて、薄暗い人工光などの照明の下で一際輝くことから、別名『イブニング・エメラルド』とも呼ばれています。
ルビーのように、無色透明の「コランダム」の中に酸化クロムという内包物が入り込んで赤色に染まるというような、主成分の中に入った他の物質によって色が変わる宝石は多いのですが、ペリドットは純粋な鉱物の状態で美しい黄緑色をしている稀な石です。そのため、トルマリンやガーネットなどのように色に富まず、この黄緑色のみとなります。前者のようなグループを「他色」、ペリドットのように、主成分が地色に大きく影響する石を「自色」と呼びます。もう1つ大きな特徴といえば、複屈折率が高いことです。正面からこの石を見た場合、肉眼でも裏面が二重に見えます。



他の色石同様、透明度が高く鮮やかな色合いのものに価値があります。内包物も少なければ少ないほど良いのですが、黒雲母の薄片など比較的内包物の多い石で、この内包物によってブラウン系の色味が出てしまうことがあります。明るいライムグリーンからオリーブグリーン、濃いめのグリーンまであり色味は好みの問題になってしまいますが、ブラウンがかったものほど価値が下がります。良質の産地として有名なのはミャンマーのモゴク鉱山ですが、セントジョン島、アメリカ、スリランカ、オーストラリアなど、至る所で産出されています。



硬度(摩擦や引っ掻きに対しての抵抗力)は6.5~7.0とやや低めです。また、ある方向に割れやすいという劈開性があるため、強い衝撃を与えると割れやすいので十分に注意して下さい。また酸に弱いため、汗をかいた後ほおって置くと、光沢が失われる可能性があります。使用した後は、乾いた布などで拭くように心がけましょう。