語源は、ラテン語で「アクア」が「水」、「マリン」は「海」ということで、石の色味からとられています。
中世のヨーロッパなどでは航海をする際お守りとし身に付けるものが多く、大変重宝されたといわれています。
鉱物学的にはエメラルドと同じ『ベリル(緑柱石)』に属しますが、見た目はエメラルドとは異なり、内包物が少なく透明度の高いものが多いです。
比較的大きめな石もよく市場に出回ります。
主鉱物であるベリルに微量な鉄分が入り込んだことから、あの透明感のある清々しいマリンブルーが生まれ、鉄分の入り方によって薄い水色から深い青、淡い緑色になります。



最も評価が高いとされるのは、青味が強く濃い色をした石で、『サンタマリア』と呼ばれています。
アクアマリンの主な産地であるブラジルの中でも、特に品質が良いとされている場所がミナス・ジェライス州のサンタマリア鉱山であったことから最良のものを『サンタマリア』と形容するようになりました。

その後、アフリカのモザンビークでもアクアマリンの産出が始まり、サンタマリアと同じように高品質なものが採れるようになったことから、こちらは『サンタマリア・アフリカーナ』という名前で区別されました。
しかし現在では、同様に品質の高いアクアマリンが他の場所などでも産出され、産地を特定することが難しくなってしまったことなどから、産地にこだわらず最上のアクアマリンを『サンタマリア』と総称することが多いようです。
サンタマリア以外でも、やはり青味が濃いほど評価が上がり、淡くなればなるほど評価は下がります。
まずは、色の濃いものを優先し、次に透明感をチェックして下さい。



エメラルドについての記事でもベリル(緑柱石)の種類について軽く触れましたが、ベリルには色味や成分によって様々な名前が付けられています。
(詳しくはエメラルドを参照してください)
ベリル系統で価値が高いとされているのはレッドベリル(レッドエメラルド)やエメラルドですが、次いで人気が高いのがこのアクアマリン。
鮮やかな青味をしたものが人気なのですが、良質な産地として知られるブラジルなどでは緑がかった結晶も多いため、グリーンベリルやヘリオドール、モルガナイトなど、その他のあまり価値の上がらないベリルなどと共に大半のものが加熱処理によって変色させられ、アクアマリンとして販売されています。
ちなみに加熱処理というのは大半の宝石に行われており、地中に埋まっている際にマグマなどの熱によって変色しきれなかったものを、人工的に熱を加えて変色させてしまおうというようなことです。
これはエンハンスメント(改良)と呼ばれ、天然の範疇であると認められています。
しかしアクアマリンの場合、色味の濃さに関しては内包物である鉄の含有量によって決まるため、加熱処理などによって濃くなるというわけではありません。
その為、加熱処理に関しては特に問題視されていないようです。
むしろ加熱処理を施されると色味が安定するという良い面もあります。



今でも女性に大変人気のあるアクアマリンですが、実は第二次世界大戦後あたりに人気が爆発的に急上昇したことがあるそうです。
価格が高騰し、上級品ともなるとサファイア並みの値段で取引されたそうです。
しかし、そんなアクアマリンの人気にあやかろうと、上質アクアマリンの色味に似せたブルートパーズが大量に出回ってしまったため、価格が最高時の半値ほどに下がってしまったそうです。
このブルートパーズというのが、無色のトパーズを人工的に着色(トリートメント)したもので、当時のアクアマリンと比べるとかなり安い価格で売られたそうです。
その為か、同じベリルのエメラルドは貴石(プレシャス・ストーン)と呼ばれるのに対して、アクアマリンは半貴石(セミ・プレシャス・ストーン)と呼ばれることが多いです。
ちなみに色味が濃いものがブルートパーズで薄い物がアクアマリンとして見られることが多いのですが、実際は色の薄いブルートパーズも存在しますし、逆に色味の濃いアクアマリンも存在するため、なかなか区別のつけにくい石なのです。